哺乳類の分類を徹底解説!

今回は、哺乳類の分類について紹介します。
哺乳類には、およそ30の目があります。今回は、その目ごとの特徴と、主な種を紹介します。
お気に入りの動物を見つけたら、学名のところか名前のところをコピーして、検索してみてはいかがでしょう。

単孔目


(写真はカモノハシの剥製。国立科学博物館にて撮影。)
単孔目は、最も原始的な哺乳類のなかまで、卵を産みます。
オーストラリアとニューギニアに5種類が分布するのみです。
写真は、代表的な単孔目、カモノハシです。

主な種
カモノハシ(学名: Ornithorhynchus anatinus)
ハリモグラ(学名: Tachyglossus aculeatus)



有袋類

一口に言えば、雌のお腹に袋を持つ動物の事。
祖先はティラコスミルス(学名: Thylacosmilus)ティラコレオ(学名: Thylacoleo carnifex)など、肉食獣系のやつもいたけど、今はほぼ絶滅しています。
昔は袋を持つ動物は有袋目にまとめられていましたが、今はいくつかに分かれています。全部紹介したいけど、面倒くさい(笑)ので、3つの目に分ける事にしました。
自分なりの分類ですので、基準にするかは皆さん次第です(笑)
一応、()で、動物図鑑にあるような目を表示しました。


オポッサム目(オポッサム目、ケノレステス目、チロエオポッサム目)

まず、写真がなかった(汗)
主に南米を中心に分布しているグループで、ティラノサウルス(学名:Tyrannosaurus)トリケラトプス(学名:Triceratops)が生息した時代、つまり7000万年前から生息していたグループです。
7000万年前から、姿や形を特殊化せずに生きています。
あとは、死んだふりが有名ですね。
なんと、腐肉の匂いまで再現する演技派っぷり(笑)
主な種
ミズオポッサム(学名: Chironectes minimus)
キタオポッサム(学名: Didelphis virginiana)

フクロネコ目(フクロモグラ目、フクロネコ目、バンディクート目)


(写真は絶滅の危機に瀕しているタスマニアデビル。多摩動物公園にて撮影。)
92種がオーストラリアに生息しています。
食糧はシロアリや昆虫から死肉まで種によってさまざま。
写真のタスマニアデビルは、タスマニア島のみに生息する貴重な動物。実は、アーカイブに残っていたフクロネコ目の動物の写真はこれだけ(汗)

主な種
フクロオオカミ(絶滅種)(学名: Thylacinus cynocephalus)
タスマニアデビル(学名: Sarcophilus harrisii)
フクロモグラ(学名: Notoryctes typhlops)


カンガルー目


(写真は有袋類最大級の動物、アカカンガルー。群馬サファリパークにて撮影。)
唯一、図鑑とマッチした有袋類の分類がこれ(笑)
有袋類の仲間の中で最も種類が多く、オーストラリアのカンガルーやコアラ、ニューギニアのクスクスなど、140種がいます。あごには大きな切歯があります。

主な種
コアラ(学名: Phascolarctos cinereus)
フクロモモンガ(学名: Petaurus breviceps)
クオッカワラビー(学名: Setonix brachyurus)
アカカンガルー(学名: Macropus rufus)


アフリカ獣類

胎盤を持つ哺乳類の中で、最も古いといわれる、アフリカ大陸で進化した哺乳類。
ゾウやマナティー、ツチブタなどです。
アルシノイテリウム(学名: Arsinoitherium)なんていう、サイみたいな動物もこの分類です。見た目だけが似る、収斂進化というやつですね(笑)


ゾウ目


(写真は陸生動物最大のアフリカゾウ。多摩動物公園にて撮影。)
はい、言うまでもないですね。(笑)ゾウです。
長い鼻と大きな耳を持つ動物です。足で低周波を感じ取って、音を聞きます。もはや超能力。(笑)
耳が大きいのはアフリカゾウ。耳が小さいのはアジアゾウ。先日のスマトラゾウはアジアゾウの亜種となります。

主な種
アフリカゾウ(学名:Loxodonta africana)
アジアゾウ(学名: Elephas maximus)



海牛・岩狸目(海牛目、ハイラックス目)


(写真は人魚のモデルとも言われるジュゴンの模型。国立科学博物館にて撮影)
ここもめんどいから一つにまとめました(汗)。
岩狸とは、ハイラックスの別名です。小型ながら、ゾウに近縁とされています。「コピエ」という、アフリカの岩山に生息しています。
海牛目の動物には、マナティージュゴンがいます。水中で一生を過ごす動物としては珍しく、植物食です。
このなかまに含まれる絶滅種ステラーカイギュウ(学名: Hydrodamalis gigas)は、仲間意識が強く、助け合って生きていましたが、一頭が人間に捕まると、なかまが助けようとした事で、人間に一網打尽にされ、発見からわずか27年ほどで絶滅してしまいました。

主な種
ケープハイラックス(学名: Procavia capensis)
アメリカマナティー(学名: Trichechus manatus)

ツチブタ目


(見えづらいですが、有蹄類にしては珍しく、昆虫食のツチブタ。上野動物園にて撮影。)
以前はアリクイのなかまだと思われていましたが、現在は独立した分類になっています。なんかかっこいい(笑)。
動物ライター・丸山貴史先生のお気に入りの動物らしい。
余談ですが、昨年12月5日に日本テレビ「世界一受けたい授業」で彼の著書「わけあって絶滅しました。」が紹介されたとき、手紙を書いて送ったら、なんと先生から返事をいただきました!
ありがたい!

主な種
ツチブタ(学名: Orycteropus afer)



アフリカトガリネズミ目(アフリカトガリネズミ目、ハネジネズミ目)

(シマテンレックの剥製。背中の針をこすり合わせて会話する。国立科学博物館にて撮影。)
ここもめんどいからまとめた(汗)
昔はモグラの仲間だと考えられてきましたが、実はゾウに近いグループ。マダガスカルに多く生活しています。

主な種
サバクキンモグラ(学名: Eremitalpa granti)
ポタモガーレ(学名: Potamogale velox)
コシキハネジネズミ(学名: Rhynchocyon chrysopygus)



異節類

南米で誕生したグループ。ほかの哺乳類にはない関節が腰にあります。今はアリクイ、ナマケモノ、アルマジロの3タイプのみですが、昔は多くの種類がおり、南アメリカで栄えていました。


アリクイ目


(写真は長い顔が特徴のオオアリクイ。国立科学博物館にて)
このグループは、歯が全くないアリクイと、単純な形の歯を持つナマケモノの二つのグループに分かれます。腰の骨の特徴はアルマジロと同じですが、体毛に覆われているのが特徴となります。

主な種
オオアリクイ(学名: Myrmecophaga tridactyla)
ミナミコアリクイ(学名: Tamandua tetradactyla)
フタユビナマケモノ(学名: Choloepus didactylus)


アルマジロ目


(写真は奥がスベオアルマジロ、前方の小型種がミツオビアルマジロ、手前がムツオビアルマジロ。国立科学博物館にて撮影)
このグループの中でも、背中が鱗のような骨の板で覆われているのが特徴です。単純な形の小さな歯を持っています。
絶滅したものだと、大きな甲羅を持つグリプトドン(学名: Glyptodon)が有名です。実は、アルマジロには約20種がいますが、丸くなれるのは2種類のみらしいです。アルマジロのなかまの10%だけなんです。覚えておきましょう。
主な種
ミツオビアルマジロ(学名: Tolypeutes tricinctus)
オオアルマジロ(学名: Priodontes giganteus)
ムツオビアルマジロ(学名: Euphractus sexcinctus)

ここからは、ユーラシア大陸で進化した哺乳類の分類です。


ウサギ目


(写真は冬毛のニホンノウサギ。群馬県立自然史博物館にて撮影。)
世界中に90種が生息。ウサギといえば長い耳ですが、耳が短い種もいます。アマミノクロウサギ(学名: Pentalagus furnessi)はその代表格ですね。とても丈夫な前歯で、硬い草や枝を噛み切って食べます。
余談ですが僕、小学校のころは飼育委員会で、ウサギ2匹のお世話をしていましたが、6年の頃の夏休み明けに、老衰で一匹亡くなったんです。ちょっとショックでした。
忘れられません。

主な種
ニホンノウサギ(学名: Lepus brachyurus)
ケープノウサギ(学名: Lepus capensis)
アナウサギ(学名: Oryctolagus cuniculus)



ネズミ目


(見えづらいですが、写真はネズミ目最大の動物、カピバラ。上野動物園にて撮影。)
哺乳類の中の大半を占めているグループです。大部分は体が小さく、さまざまな環境に合わせて生活しているので、世界中に生息しています。日本だけでも31種類のネズミ目が生息しています。上下二本ずつの頑丈な前歯を持つのが特徴です。

主な種
ハツカネズミ(学名: Mus musculus)
クマネズミ(学名:Rattus rattus)
ニホンリス(学名: Sciurus lis)
ムササビ(学名: Petaurista leucogenys)
カピバラ(学名:Hydrochoerus hydrochaeris)



ツパイ・ヒヨケザル目(ツパイ目、ヒヨケザル目)


(写真は滑空して空を飛ぶマレーヒヨケザル。国立科学博物館にて撮影。)
ここもめんどいから一つにまとめました(汗)
この動物たちはサルに近縁な動物なんです。
ここに載っていないツパイはリスに似ている動物で、現地でリスを意味する「ツパイ」と名づけられたわけです。
ヒヨケザルは滑空して空を飛ぶ動物。ムササビとは別の種類です。

主な種
コモンツパイ(学名: Tupaia glis)
マレーヒヨケザル(学名: Cynocephalus variegatus)

サル目


(写真はサル目最大の動物、ゴリラ。千葉市動物公園にて撮影。)
このなかまは、原始的な哺乳類の特徴を持ったまま進化したグループです。体の大きさや形は、種類によってさまざま。でも、木の上に生活しているものが多いんです。
熱帯を中心に350種が世界中に分布しており、我々人類もその一員です。

主な種
アイアイ(学名: Daubentonia madagascariensis)
ニホンザル(学名: Macaca fuscata)
ニシゴリラ(学名: Gorilla gorilla)
ヒト(学名:Homo sapiens)


モグラ目


(写真は地中で暮らす代表的な哺乳類、アズマモグラ。国立科学博物館にて撮影。)
このなかまは、食虫目ともいい、昆虫やクモ、ミミズを食べる小型の動物たちです。
地表や落ち葉のふち、地下や水中など、さまざまな環境に進出しました。
余談ですが、モグラ属の学名は、Mogera(モゲラ)。江戸時代のフランスの学者、ポメール氏がつけたものらしいが、資料を書くときに、「Mogura」と書くはずが、誤って「Mogera」になってしまったらしい。
鈴木雅之の曲聞こえてきそうですね(笑)
「直せよ!」となりがちですが、これは国際動物命名規約により取り決められており、一度定めた学名を直す事は、それまでに出版した印刷物すべてを改訂しなければならないほか、研究者も呼び名を変えなければならず、多少間違っていても仕方がないということらしい。

主な種
アズマモグラ(学名: Mogera imaizumii)
ナミハリネズミ(学名: Erinaceus europaeus)




コウモリ目


(写真は果実を食べるインドオオコウモリ。国立科学博物館にて撮影。)
羽ばたいて飛ぶ、唯一の哺乳類。ネズミ目に次ぐ種の多さを誇り、1100種にもなります。因みに、その中で以前紹介した血を舐めるコウモリはわずか3種です。

主な種
インドオオコウモリ(学名:Pteropus giganteus)
ウサギコウモリ(学名: Plecotus auritus)
ナミチスイコウモリ(学名: Desmodus rotundus)

センザンコウ目


(写真はミミセンザンコウ。国立科学博物館にて撮影。)
まるで松ぼっくりのような鱗に覆われています。鱗が浮力を調整し、泳げるそうです!びっくり!

主な種
ミミセンザンコウ(学名: Manis pentadactyla)


ネコ目


(写真はアフリカの支配者、ライオン。群馬サファリパークにて撮影。)
すべての肉食獣が属するグループで、食肉目とも言います。肉を食べるのに都合のいい体のつくりをした祖先から進化したグループ。前向きの目や鋭い牙は狩りに適しています。
ネコ科やハイエナ科からなるネコグループと、イヌ科やクマ科、アシカ科からなるイヌグループに分かれます。

ネコグループの主な種
ライオン(学名:Panthera leo)
トラ(学名:Panthera tigris)
ブチハイエナ(学名:Crocuta crocuta)
イヌグループの主な種
オオカミ(学名: Canis lupus)
ホッキョクグマ(学名: Ursus maritimus)
カリフォルニアアシカ(学名: Zalophus californianus)

ライオンが出たから言いますが、この夏、僕は実写版「ライオンキング」を観にいきます。
世界の歌姫、ビヨンセが主人公の幼馴染、ナラを演じ、主演のシンバ役はラッパーのドナルド・グローバー。
更に吹き替え版だと、兄弟漫才のミキの弟の亜生さんとフジテレビ「クイズ99人の壁」司会者で俳優の佐藤二朗さんが面白コンビのティモン(ミーアキャット)とプンバァ(イボイノシシ)を演じるので必見です。
僕は字幕派です。
楽しみ!
8月9日公開らしいです。皆さんももしよかったら是非、観にいってみてください。

ウマ目


(写真は野生ウマ最大のグレビーシマウマ。千葉市動物公園にて撮影。)
後ろ足の蹄の数が1本または3本と奇数になっているのが特徴。体は大きいですが、走るのが得意です。
実は、蹄というのは指なんです。知っていましたか?太古にはエンボロテリウム(学名: Embolotherium)カリコテリウム(学名: Chalicotherium)など個性的なやつばっかしいたのに、個性的なやつばっかり絶滅して(笑)、今はウマ、バク、サイしかいません。

主な種
サバンナシマウマ(学名: Equus quagga)
マレーバク(学名: Acrocodia indica)
クロサイ(学名: Diceros bicornis)


鯨偶蹄目

このグループは、最新の研究により判明したグループ。
ここでは、3つの亜目に分ける事にしました。
そのほうが、分かりやすいですもんね。
ただ、オリジナルのものなので、採用するか否かはあなた次第(笑)。


反芻亜目


(写真は動物界で最も背が高いキリン。上野動物園にて撮影。)
このグループの特徴は、反芻をする事です。
反芻とは、一度胃に送った食料を、再び口に入れて噛みなおすというのを何回も繰り返す事。
ラクダやシカ、ウシにキリンはこのグループ。

主な種
キリン(学名:Giraffa Camelopardalis)
ヒトコブラクダ(学名: Camelus dromedaries)
ニホンジカ(学名: Cervus Nippon)

非反芻亜目


(写真は大きないぼと牙が特徴的な、イボイノシシ。富士サファリパークにて撮影。)
要するに、ブタやイノシシのグループです。
カバも反芻をしない偶蹄類なんですが、そこは後ほど説明いたします。ユーラシア大陸と中南米に生息しています。

主な種
イボイノシシ(学名: Phacochoerus africanus)
ブタ(学名: Sus scrofa domesticus)
水棲亜目


(写真は巨体が人気だが実は気性が荒いカバ。上野動物園にて撮影)


(写真は深海でダイオウイカと決闘を繰り広げる伝説を持つマッコウクジラ。国立科学博物館で撮影。)
実はカバは、クジラに近い動物である事が判明。その結果、今回はこのグループの中でも水辺や水中で生活する動物としてまとめました。
ここには、史上最大の哺乳類、シロナガスクジラも分類されています。

主な種
カバ(学名: Hippopotamus amphibius)
シロナガスクジラ(学名: Balaenoptera musculus)
シャチ(学名: Orcinus orca)

以上が、哺乳類の分類となります。
しかし…長かった!(笑)
動物図鑑を買うときは、こういう分類があると覚えておくといいですね。但し、僕なりの分類ですので、あしからず(笑)



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